家庭の教育力

「常識」を教えているか

 家庭の教育力は低下していない、という意見があります。かつても今と同様大人は生活を営むのに忙しく、それほど子どもの教育に時間を割いていたわけではない。だから現代の家庭の教育力が低下したとは言えない、というわけです。

 

 しかし、問題は家庭教育として割いた時間ではなく、質なのです。例えば、食事の時箸の握り方はたいていの家庭で教えました。ひもの結び方も教えました。バスの中では大きな声で話してはいけない、と教えました。立ち食いするな、と教えました。「人様」に後ろ指を指されるようなことはするな、お天道様は見てるよ、と教えました。親が教えなくてもじいちゃん、ばあちゃん、まわりの大人が教えました。つまり、人が集団の中で生きていく様々の技術と手段と知恵とを教えたのです。本来これらを常識と呼びました。英語ではcommon sense と言い、「だれもが持つ共通の感覚」の意味で元来の日本語の「常識」と同じです。ところがいつの間にか常識を基礎知識と勘違いしてしまいました。と同時に本来の「常識」を捨ててきました。家庭でも地域でも捨ててきました。

 

 私はアナクロニズム(懐古主義)ではありません。ましてや復古主義でもありません。ただ、いつの間にか私たちは大事なものを失ってきたと思うのです。実はこれらは教育の根幹を成す重要な側面でした。この意味で家庭は地域とともに教育力を低下させてきたと思っています。

英語講師・特定行政書士 光岡和隆

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